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SCHROTH RACING > Technologies

HANS仕様ハーネスとは?


HANSが2002年に初めてモータースポーツ界に導入された時、SCHROTHはHANS仕様の2inch/3inchコンビネーションショルダーベルトを設計・開発しました。HANS仕様ハーネスの開発コンセプトはシンプルで、HANS側方からベルトのウェビングが出ない、HANS表面にぴったりと確実に装着されるベルトを設計することでした。HANS上にしっかり固定される2inch幅のオリジナルウェビングは、ハーネスを確実かつ最適に取り回すことができます。新たにFIA8853-2016規格の導入により、2インチ/3インチショルダーベルトの組合せと同様に、フル2インチショルダーベルトバージョンをこれからは使用することになります。FHR2インチ設計は当社の6点モデルのほとんどに設定されています。FHR仕様2インチハーネスはF1、NASCAR、ポルシェカップ、WRCにおける当社のチームによって使用されます。

 

 

SCHROTHの特許取得済ハーネスはドライバーの安全性を向上し、ルノーF1や多くのNASCARドライバーに愛用されています。SCHROTHのハイブリッドハーネスは、さらに軽量、さらに快適なだけでなく、モータースポーツ関係者が頭を悩ませてきた問題も解決します。


フォーミュラハーネスは、太腿、股からくぐらせたアンチサブストラップを、ラップベルトのDリングに通し、バックルに固定されるショルダーベルトラッチ金具に掛けます(図を参照)。取り回しがこれだけ長くなると、衝突時にラップベルトが動き、上体の軌道(上体の動き)も大きくなります。この望ましくない動きを抑えるため、ドライバーは臀部下で直接後方へストラップを移動できるようにした薄いシートパネル上に座るか、このパネルを装備し後方へストラップを取り回してラップベルト固定点またはその付近でストラップを取り付けます。アンチサブストラップは非常にきつく装着する必要があるため、脚の血流が悪くなるという声が頻繁に聞かれます。また、車体後部に衝撃を受けると、間接的に取り回されているアンチサブストラップでは、バックルとラップベルトが適正な位置に保持されません。特に一般的なオープンホイールレースカーのシートポジションにおいては、ドライバーはしっかりと座席に保持されていないためポジションがずれたり滑りあがって、ヘルメットがロールバーを越えてしまうことがあります。アンチサブストラップを間接的に取り回してある場合、車体前方からの衝撃に対してストラップにある種のテンションを加えておく必要があります。


これに対し、いわゆるTバー型6点式ベルトは基準点として適切に位置決めされたバックルを使用してアンチサブストラップを下に向け、また僅かに後方に取り回すため、より高い拘束性が得られます。これによりバックルは所定位置に保持され、ショルダーストラップからアンチサブストラップに直接負荷が伝達されます。車体後方からの衝撃時には、アンチサブストラップがバックルとラップベルトを所定位置に保持し、ドライバーを座席にしっかり拘束します。ただし、このタイプのハーネスはアンチサブストラップを適切に分離するためにTバーを充分広くする必要があり、太腿上部が締め付けられ、快適性を向上させようとすると、往々にしてバックルがラップベルトの最適位置を確保する低さに装着されない、という難点があります。解決策は革新的なSCHROTHハイブリッドハーネス。アンチサブストラップはDリング、Tバーを経由せず、特別に開発されたラップベルトループで直接保持されます(図を参照)。


特許取得済SCHROTHRFRロータリーバックルにより、負荷(力)はショルダーベルトからバックルへ、そしてアンチサブストラップへと伝達され、後部からの衝撃時にはこの逆の経路で衝撃が伝わります。直接負荷伝達は、バックル・ラップベルト・上体の保持などの最適な拘束性能の確保に重要な要素です。アンチサブストラップの取り付け幅は広いため、股部分や太腿上部を締め付けません。また、バックルシステムへの直接取付けにより、下向き、およびわずかに後方に最適固定されるため、極端に後方へ装着する必要ありません。ハイブリッドタイプでは7点目のアンチサブストラップも用意されており、衝撃時のシートポジションのずれを低減します。さらに、標準的なTバー、フォーミュラと比べ、ハイブリッドタイプはハードウェア(Dリング・Tバー)が不要であるのとウェビングが簡便化されているため軽量化が図れます。


アンチサブストラップのアタッチメント形状(ラッチではなくループ)により、ハイブリッドハーネスはドライバーが頻繁に交代する耐久レース向きではありませんのでご注意ください。ハイブリッドベルトは、ツーリングカー、スポーツカー、ラリーカー、フォーミュラシャーシ、プロトタイプカーに最適です。

 

50mm (2inch) Lap Belts

2inchウェビングが3inchウェビングより効果的であることは、人体の造りと密接に関連しています。

骨盤の一種で腰骨の一番高い部位は腸骨稜(IC)と呼ばれますが、2inchウェビングがこの腸骨稜による窪みに完全にはまり込むのに対し、3inchウェビングだと腸骨稜の上端にかかってしまいます。

3inch幅は2inch幅よりも接触面積の割合が小さいため、衝撃時にベルトが骨盤と接触する部位においてさらに激しい挫傷を負うことになります。

それに対し2inch幅は腸骨稜内に収まるので、25mmから40mm幅(1inchから1.6inch幅)と同様の締め付けが確保されると同時に快適性は向上します。

ウェビングが2inch幅だと骨盤の腸骨稜内にぴったり収まるため、それより上にベルトが滑り上がり、身体がラップベルトの下に滑り落ちて内臓を損傷する危険性が低下します。

 

調査によると、骨盤が捕捉される時間が短くなるほど胸・頭部・首にかかる負荷は小さくなります。2inch幅であれ3inch幅であれ、ウェビングはすべて同じホモロゲーションの負荷基準を満たしている必要があるため、2inch幅では強度が落ちるということはありません。2inch幅ラップベルトにはさらに、車両内でベルトを適切に、またしっかりと調整するために必要な力が3inch幅よりも遥かに小さくて済むという利点があります。

 


RFR Rotary Buckle

 

アルミニウムロータリー

RFRコンポジット

RFRコンポジットフォーミュラ

プッシュボタンコンポジット

 

新たに追加されたアルミニウムロータリーは、コンパクトであり適度なクリック感と人間工学に基づいた解除レバーが特徴です。特許取得済SCHROTHRFRロータリー(カムロック)バックルは、カーボン繊維で補強されたギヤーシステムで作動します。これはグリース給油を必要としないで作動しますので、埃に影響されることもなく、また他の環境の影響を受けることもありません。RFRとはRegressive ForceReleaseの短縮形であり、解除力は他の全てのロータリーバックル製品に見られるように増加するのではなくて、解除操作中には減少することを意味しています。従って、RFRは延長レバーを必要とせずに厳格なFIA要求解除力に適合します。窪みレバー付きの特許取得済アクチュエータにより、偶発的に解除される危険が避けられるようになっています。耐久性のあるRFRロータリーバックルは、他の製品よりも約30%軽量であり、かつ市場において最高の強度を持つものの一つとなっています。FIAとECER16.04認定レーシングハーネス(ラリー用FEモデル)については、プッシュボタンタイプのバックルとして販売しています。
※バックルはモデル毎に適切な組み合わせとなっております。選択することができません。バックルを含めベルトの仕様はメーカーの出荷タイミングにより異なる場合がございます。また、当社の在庫状況により、お客様の要望に応えられない場合がございますがあらかじめご了承ください。

asm

特許取得のSCHROTHasmには、4点式ハーネスに対して安全上の利点があります。asmは、antisubmarining(潜り込み防止)の略語です。潜り込む危険(ラップベルト下での滑り)は、前方衝撃の際に起こるよく知られた現象であり、asmシステムによって大幅に緩和できます。エネルギー交換機能はショルダーベルト内に配置されていますので、購入時には、左右どちらを購入するかについて注意してください。SCHROTHasmまたはアンチサブストラップを装備していない4点式ハーネスを使用すると、重傷または死亡の可能性があります。そのため一般道路上で使用するために設計されたSCHROTHハーネス(FEプッシュボタンモデル)または4点式として使用される可能性があるハーネスは、asmシステムが備えられています。SCHROTHasmの性能は、エアーバッグとともに確実に試験されています。asm無しのレーシングハーネスを使用する場合には、必ずアンチサブストラップとともに着用してください。

 

Webbing

 

 

違いをもたらす独自のウェビング技術。当社が使用しているウェビングは、SCHROTHハーネス用に特別に設計、製造されています。製造される各々のロットは、弊社の厳格な品質管理基準に合格しなければなりません。SCHROTHではポリエステル材料だけを使用しています。ポリエステルには、ポリアミド(NYLON®)ウェビングに対して利点があります。光を受けても劣化しにくい(左図を参照)、またバッテリー液等の酸に対して耐久性があるなどの利点があります。また、ポリエステルは湿気を吸収しないので、SCHROTHハーネスの性能は、天候に左右されることがありません。また、ポリエステルは力/伸びの比率が良好であるため、よい設計がなされたウェビングは事故発生時により多くのエネルギーを分散することができます。
SCHROTH独自の技術は、弊社のウェビングに盛り込んでいる「形状記憶効果」です。特に横方向に織り込まれたモノフィラメントは小型のリーフスプリングのような性能を発揮し、ウェビングをフラットに保持します。これにより、SCHROTHウェビングの全幅にわたって荷重を充分に分散させることが出来ます。SCHROTHウェビングの他の利点は、特殊な織込み技術によってエッジを滑らかに形作ることができるので、さらに快適性が向上することです(右図を参照)。

ECE R-16.04

SCHROTHチューニングベルトは、純正シートベルトとともに、同一の取り付け点に取り付けられるというユニークな特色があります。チューニングベルトは、一般道路上で使用するために、ドイツTÜV/ECER-16.04/US-DOTによる認定要求事項に適合しています。各々のベルトには、取り付けおよび取り扱い説明書が添付されています。お客様の車両が添付された車両参考リストに挙げられている場合には、取り付け状態は、純正シートまたはwww.schroth.com/vrlに列挙されているアフターマーケットシートで試験され承認済です。
他の公道仕様市販ベルトと違って、ほとんどのチューニングベルトは、ハーネスの前方部分とリヤーテールストラップとの間での独自の分離機能を備えています。チューニングベルトを使用していない場合には、全ての搭乗者が純正シートベルトを使用可能な状態にすることができます。

 

Flexi Belt

Flexi Belt−1本のハーネスで複数の構成が可能。通常ラップベルトの長さ調整は、「プルアップ」または「プルダウン」で行われますが、さらに使いやすさを追求するために、ユーザーに合った調整方法が必要です。SCHROTHは、たった一本のラップベルトだけで、多種多様なニーズに対応する解決案を開発しました。それが“Flexi Belt”です。ハーネスに付属しているラップベルトラッチとブラケットは、2本のバースライディングブラケットによりラップベルトへ組み付けることができ、これにより構成を変更することができます。これにより、「プルアップ」または「プルダウン」かを決定することができ、また必要に応じて、左や右ラップベルト部について異なった調整方法にすることができます。また、長さを変化させて、お客様の車両、座席や座席位置に応じて、調整ブラケットの位置を最適化することもできます。さらに取付け金具(例えばスナップフックをボルトインに変える等)を交換することもできます。“FlexBelt”は、2inchラップベルト、SCHROTH“Ⅱ”モデルにのみ取付可能です。

 

Adjusting ranges of racing restraints

 

AdjustingRanges ShoulderBelt 3"LapBelt 2"Lap FlexiBelt 2"LapBelt Dual Crutch strap
Profi/Flexi/Enduro 51-200cm 26-67cm 18-76cm 23-76cm 28-61cm
Clubman 51-200cm     23-76cm 28-61cm
Formula 53-80cm       21-74cm
Profi J/Clubman II J 51-165cm   18-76cm 23-76cm  
Profi FE J Snap 51-165cm 26-67cm   23-76cm  
Profi FE J Bolt 51-167cm 28-69cm   23-76cm  

 

 

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